2022.05.23「VIPO Film Lab」脚本コース@ウディネ(イタリア)実施報告
VIPO(ヴィーポ)では、映画の国際共同製作を推進し、国際的な感覚や知識を持ち広く世界で活躍する若手映画制作者を育成することを目的として「VIPO Film Lab」を開催しています。この度、2021年6月〜11月に開催した国際プロデューサーコースに引き続き、脚本をブラッシュアップするための脚本コースを2022年4月26日から29日の4日間で開催いたしました。
ヨーロッパのプロデューサー育成機関EAVEとVIPOのパートナーシップによって開催された本プログラムに、今年は下記3名(敬称略、順不同)のプロデューサーが選出され参加しました。
- 後藤美波氏
- 朱 永菁氏
- 柳本千晶氏
また、本プログラムのアドバイザーとして、和エンタテインメントの小野光輔プロデューサーにもご参加いただきました。
今回は実際にイタリア・ウディネへ渡航し、ウディネ・ファーイースト映画祭のFocus Asia(インダストリー部門)*1および、EAVE主催のラボTies That Bind*2のASIA / EUROPE CO-PRODUCTION WORKSHOPの一部講義に、最初の3日間参加し、最終日は、事前に提出いただいたそれぞれの企画の脚本に対し、EAVEのスクリプト・コンサルタントであるClare Downs氏による1対1の脚本ブラッシュアップミーティングを受けていただきました。
最初の3日間に実施されたプログラムは下記の通りです。
- Focus Asia 選出企画のプレゼン(9本)、台湾企画ショーケース(5本)
- 映画祭のプログラマーによるパネルディスカッション
- 台湾、フィリピン、カタルーニャによるフィルムインセンティブ、共同製作支援の説明
- 早川智絵監督『PLAN75』のプロデューサーによるケーススタディ
- アジアにおける映画配給についてのパネル
- 『ドライブ・マイ・カー』のヨーロッパの配給会社によるパネル
- ヨーロッパの配給会社によるヨーロッパでの映画配給の現状についてのパネル
今回ご参加いただいた柳本千晶さんの企画『NANA BLUES』は、Focus Asiaのオールジャンルマーケットにも選出され、冒頭の企画プレゼンでは、5本ほどのビデオプレゼンテーションが会場で上映され、各国のプロデューサーやセールスエージェントからも注目された企画となりました。
また、毎日のランチやディナーの時間では、3年振りのリアル開催となったウディネ・ファーイースト映画祭、Focus Asia部門、そしてTie That Bindに集まった、アジアとヨーロッパのプロデューサー、映画祭プログラマー、セールスエージェント、配給会社のバイヤー等の映画業界関係者とネットワーキングする機会がありました。カンヌやベルリンのような大きな映画祭とは違い、限られた数の参加者でしたが、アットホームでカジュアルにネットワーキングできるのが、ウディネの魅力だと感じました。
今回のプログラムを通してブラッシュアップされた脚本が、国際共同製作映画として、世界へ羽ばたいていくことを期待します。
*1 Focus Asia(インダストリー部門)
ウディネ・ファーイースト映画祭と同時開催される企画マーケット。オールジャンルマーケットでは、ヨーロッパの共同プロデューサーを探す企画が10本程度選出され、冒頭で約5分のビデオピッチが上映された。また、ワークインプログレス部門では、制作進行中の企画(10分以上の映像の提出が必要)が映画館で上映された。
*2 Ties That Bind
ヨーロッパとアジアによる国際共同製作を目指すワークショップ(ASIA /EUROPE CO-PRODUCTION WORKSHOP)。アジアと共同製作経験のあるヨーロッパ映画業界関係者等がメンターとなり、脚本開発、資金調達、マーケティング、国際共同制作の契約などを学ぶトレーニングプログラムを提供する。プログラムは、春と秋の2回、ウディネ(イタリア)とシンガポールで開催され、グループワークや個別セッション形式で行われる。
お問い合わせ
特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)
VIPO Film Lab事務局
映像事業部 担当:山田・谷元・伊藤
vipofilmlab@vipo.or.jp